少し前に、ライター業務で出会ったワンちゃん(♂)のお話です。
性格はすごく穏やかで 家族にブラシで撫でてもらう時の顔は脱力しまくりで、 道を歩く人にも興味津々。 広い庭でボールを元気よく追いかけていました。 その彼が目指していたのは、 〝低血糖アラート犬〟。 欧米では広まりつつあるそうですが 日本ではおそらく初めてとのことでした。 一緒に暮らす少女は一型糖尿病。 血糖値の管理が必要で、 意識障害や昏睡、時には命の危険にも繋がる 低血糖状態にならないよう 常に注意していなければなりません。 ケンブリッジ大学の研究チームによると 1型糖尿病患者が低血糖に陥ると、 呼気の成分が変化し、 炭水化物の一種である「イソプレン」値が 2倍に上昇します。 4年に渡る訓練で 呼気のわずかな違いを嗅ぎ分ける能力を得た彼は 〝低血糖アラート犬〟の候補でした。 実際に夜中、就寝中だった少女の低血糖を しっかりと両親に教えてくれたこともあったそう。 人間の嗅覚受容体は約400種ですが、 犬は約800種と、その2倍あり、 一般的に人の1億倍まで感知できるとされます。 彼のその素晴らしい嗅覚は まさにパートナーの命綱でもあるのです。 しかし人間でも、同じようなことはあります。 代謝の状態が大人とは違う赤ちゃんからは、 なんとも言えない特有の匂いがするし、 「子どもがインフルエンザになると匂いで分かる」 というお母さんを知っています。 嗅覚って、やっぱり優れたセンサーなのです。 だから嗅覚を侮らないでくださいね! 私が会った時にはまだ候補犬でしたが、 今頃は正式な〝低血糖アラート犬〟になっているかな? 「香りと嗅覚は命へのアプローチ」を 新たな視点で実感した、貴重な出会いでした。 参照記事) https://dm-net.co.jp/calendar/2016/025693.php
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Author持木 美恵 Archives
December 2022
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